家族の介護をする人が思うこと
それは
「これからわたしたちの生活はどうなるのか?」
「この介護の先はどうなるのか?」
この思いはすべての介護者に共通します。
いつ終わるかわからない介護のゴールまでの「見えない時間」
この時間を「問題」としてではなく
有意義に過ごすことにつながる「きっかけ」
とするために
現状に飲み込まれず、客観的に捉える
ことが重要となってきます。
①現状を客観視する。
どうしたら、最期まで家族の大事な時間を共有できるのか
紙に書き出して、客観的に介護を考えてみましょう。
②残っている能力を活かす。
要介護者の「できること」「できないこと」
を見きわめて、「できること」をやってもらいましょう。
「できること」をやってもらった感謝の気持ちは
要介護者にとってもとてもよい影響があります。
③自分の居場所をつくる。
自分と時間の流れを共有できる人とすごす場所をつくりましょう。
介護という同じ時間の流れを体験した(している)人と話のできる場所です。
同じ経験をしている人との会話は介護者の孤立感を解消します。
そんな人は周りにいない。
そんな方は是非メリメリにいらしてくださいね。
④自分の時間をつくる。
1日単位、1週間単位で自分のスケジュールを書き出してみましょう。
介護以外にも家事や育児など、タスクはたくさんあると思います。
でも、介護者さんの自分の休息時間はとても大切な時間です。
スケジュールの中に休息時間を書き込みましょう。
⑤置かれている状況を可視化する。
介護が突然はじまり、介護者は「混乱」します。
この混乱は当たり前と考えたほうがいいでしょう。
このまま介護に突入すると肉体的・精神的な消耗がピークとなります。
自分の置かれている状況を紙に書き出しましょう。
可視化することで客観的に見ることができます。
⑥家族のできることを可視化する。
家族の名前を書き出しましょう。
そして、その横に仕事の状況や住んでいる環境、介護への関わりを記入しましょう。
意外と多数の協力者がいることにきづくはずです。
県外にいるから無理かなと諦めるのではなく、たまに電話で相談にのってもらえるだけでも
心は安らぎます。
国外にいる親戚も、直接的な協力はむずかしくても、経費の分担だったら協力してもらえるでしょう。
日常の介護にかかわるすべての作業を書き出して
協力者で分担しましょう。
⑦記録を残す。
介護では家族間トラブルがつきものです。
トラブルをなるべくなくすためにも、記録を残しましょう。
そして、この記録は要介護者が亡くなった後も思い出となります。
⑧情報と知識を得る。
まずは市区町村の介護保険窓口に一度足を運んでみましょう。
行政の窓口も職員も、介護者にいつも優しく答えてくれるわけではありません。
少し冷たい態度をとられても、わからないことはわからないと
気持ちを強く持って聞きましょう。
孤独にインターネットだけと向き合ってしまうと
さらに孤独が増すので、経験者や同じ介護をしている方たちとの
情報共有できるリアルな場所を探してみましょう。
⑨介護者は司令塔だと心得る。
家族や介護サービスを「チーム」として考えよう。
主となる介護者は自身をメインのプレーヤーだと感じてしまいますが
自身は司令塔だと心得ましょう。
サッカーで例えるとミッドフィルダー
フィールドに立つのは同じですが、ひとりの選手であり
他のプレイヤーに指示を出し、ゲームの流れを現場でマネジメントする存在です。
プレイヤーはあなた一人ではありません。
⑩介護手帳をつくる。
母子手帳のように介護手帳をつくりましょう。
毎日の記録がのちに思い出となり
家族内での関係を整えるものとなります。
書くということは介護者の混乱する気持ちを整理してくれることとなります。
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